軍人、警察官の脱北続発…コロナ禍で混乱の北朝鮮国境

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新型コロナウイルス対策として、国境警備を強化している北朝鮮。そのために、数千人単位の兵力を投入しているが、その人員の脱北事件が相次いている。

両江道(リャンガンド)のデイリーNK内部情報筋は、金正淑郡に駐屯している第7軍団の分隊長が、夜間勤務中に小銃を持ったまま逃走を図り、国境を越えて中国に逃げ込んだと伝えた。

この件について韓国の朝鮮日報は、12月23日夜に郡内の上台里(サンデリ)で、勤務中だった24歳のペクという兵士が、5.45ミリ小銃1挺と、銃弾60発を持ったまま、国境の川を越えたと報じた。

この分隊長は、上官からに露骨なワイロの要求に苦しめられていたという。中隊の政治指導員は、中国人民元500元(約7900円)と、中国の長白山ブランドのタバコ1カートンを要求していた。

しかし要求に応じられなかったため、政治指導員は「私の与える任務は党が与える任務と同じだ」、「これでは(労働党への)入党は難しい」、「平和な時期にちょっとした任務も遂行できない軍人が、有事の際に党と首領のために命を捧げられるのか」などといびり続けていた。

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これについて情報筋は、三重、四重の国境封鎖でカネ稼ぎ(密輸)が難しい状況なのに、入党をエサにワイロを要求していたとして、分隊長の脱北の原因は政治指導員にあると批判した。

北朝鮮は、特殊部隊の防風軍団や、咸鏡南道(ハムギョンナムド)咸興(ハムン)に駐屯する第7軍団の兵力を国境警備に投入している。本来、国境の警備を担当しているのは国境警備隊だが、地元社会と癒着し、密輸や脱北を幇助したり、国境警備隊そのものが密輸を主導したりする状況だった。

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ところが、暴風軍団や第7軍団は窃盗事件を起こすなど素行が悪い上に、暴風軍団の兵士が自分をいじめていた上官を殺害後に逃走する事件が起きたことで、地域全体に封鎖令(ロックダウン)が下されるなど、不協和音が生じている。

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また、国の命令とは言え、国境警備隊としては自分たちの「縄張り」によそ者が大挙やってきて大きい顔をしている状況が面白いわけがなく、以前からトラブルが相次いでいる。

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一方、朝鮮日報は別の脱北事件も報じている。両江道安全局(県警本部に相当)で軍犬隊長を務めるキム大尉が、12月24日の夜中に妻、娘、母の一家4人で脱北したと報じた。母と娘は中国公安当局に逮捕されてしまったが、キム大尉と妻は逃げおおせた模様だ。