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北朝鮮は今年、8号(バービー)、9号(メイサーク)、10月(ハイシェン)と、立て続けに3つの台風に襲われ、各地で深刻な被害が出た。

金正恩党委員長は、「首都の優れた中核党員1万2000人で咸鏡南・北道にそれぞれ急派する最精鋭首都党員師団を組織する」と、平壌市の党員に向けた公開書簡で表明。それを受けて先月8日、党員のグループが被災地に出発したと国営の朝鮮中央通信が報じた。

(参考記事:「首都党員師団1万2千人を被災地へ」金正恩氏が公開書簡

しかし、北朝鮮の被災地大量動員に付き物なのが「二次災害」だ。と言っても、自然災害ではない。動員でやってきた人々がろくに働きもせず、被災地に迷惑をかけるのだ。

一例を挙げると、金正恩氏が視察に訪れた黄海北道(ファンヘブクト)の銀波(ウンパ)郡の水害被災地に、災害復旧で派遣された幹部12人が、仕事をサボって酒盛りをしていたことが発覚した。

(参考記事:金正恩氏の「心配ごと」あざ笑った幹部12人に迫る運命の日

咸鏡北道(ハムギョンブクト)漁郎(オラン)郡の被災地でも同じようなことが起きて、地域住民が抗議に乗り出す事態へと発展した。

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現地のデイリーNK内部情報筋によると、平壌からやってきたボランティアの建設労働者は、仕事もせずに、彼らは、住宅建設用に割り当てられたセメントなどの資材を売り払い、そのカネで酒と肉を買い込んで、飲み会を開いているというのだ。

建設現場や災害復興現場での資材の横流しは、コロナ前から当たり前のように起きている。まともな給料も払われず、補給もろくにされないのが原因だ。

(参考記事:北朝鮮が「タバコ屋のキムさん」を目の敵にする理由

被災者が抗議したところ、「寒くてセメントが中々固まらない、無理に進めれば住宅の質が落ちてしまう、規定通りにしなければならない」と言い訳した。

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これに対して、台風で家を失って他人の家に居候している被災者30人が、不正行為の告発を受け付ける郡党(朝鮮労働党漁郎郡委員会)の信訴課に押しかけて抗議、「あんなふうにやらせるのなら、自分たちに資材を分けてくれ、それで自分たちで家を建てる」などと訴えた。

これに対して郡党は次のように回答した。

「皆さんの気持ちは十分に理解するが、国から割り当てられた材料を勝手に個人に配ることはできない。ぜひ早く対策を取りたい」

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しかし、労働者は金正恩氏の命を受けてやってきたことを考えれば、郡党が下手に口出しすると、「元帥様の意向に背いた」などと言われ、処罰されかねない。

解決は難しいと見た被災者は、朝鮮労働党中央委員会に信訴の手紙を送り、窮状を訴えようとした。しかし、途中でもみ消されて平壌に届かないかもしれないとの不安が彼らを襲った。

信訴が取り上げられれば、調査が行われ、その結果に従って処分が行われるが、訴えられた者から報復されるリスクを伴う。確実に届くという保証なしで、信訴の手紙を出すのは危険な行為なのだ。

(参考記事:「訴えた被害者が処罰される」やっぱり北朝鮮はヤバい国

結局被災者たちは、道党(朝鮮労働党咸鏡北道)の委員長に手紙を送ることにした。

手紙を受け取った委員長は、イルクン(幹部)を現場に派遣し、現場の様子を調べたようだ。

告発された側の建設労働者の処遇について情報筋は触れていない。道党は、地元レベルで穏便に済ませようとしたのかもしれないが、金正恩氏が咸鏡南道の復旧現場を視察した際に語った次のような発言を見ると、もしかするとすでにバレてしまっているのかもしれない。だとすれば、タダでは済まされないだろう。

「最近上がってきた報告によると江原道、咸鏡北道、咸鏡南道内の一部の単位で設計と建設工法の要求に違反して、建設を急場しのぎのようにでたらめにする意地悪くて破廉恥な建設法違反行為が提起されたが、厳しく問題視する」

(参考記事:「破廉恥な違反行為を厳しく問題視」金正恩氏、復旧現場で指摘