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北朝鮮の教育省は先月、全国の小中学校、地方大学の新学期を今月1日とする方針を示した。ところが、その前日の先月31日になって、10日ほど延期する緊急指示を下した。

学校再開に際して、新型コロナウイルスの感染防止対策のマニュアルを下したが、これを守っていない学校が続出したというのがその理由だ。その延期期間がさらに伸ばされたと、デイリーNKの内部情報筋が伝えた。

(参考記事:北朝鮮の新学期開始が10日間延期に

教育省は8日、各地の教育部に対して新学期開始を再び延期するとの指示文を下した。開始日についてだが、「10月5日にするか、(朝鮮労働党創立日の後の)12日にするかは、今月29日に改めて通知する」と曖昧になっているとのことだ。

新学期再延期の理由は2つある。最初に挙げられたのは、脱北者の密入国の問題だ。

人身売買の犠牲となり、中国に売り飛ばされていた女性が北朝鮮に密入国する事件が相次いだが、その中には、中国で新型コロナウイルスの検査で陽性となった人も含まれていた。これにより両江道(リャンガンド)の一部地域が封鎖される事態となっている。

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それ以外にも、違法に国境を超える事例が持続的に発生し、住民統制と防疫体制の強化の観点から新学期を延期したというものだ。

(参考記事:「死ぬなら故郷で」…北朝鮮「中国で陽性判定」の女性を銃殺か

2つ目の理由は台風による被害だ。

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北朝鮮は8号(バービー)、9号(メイサーク)、10号(ハイシェン)と、立て続けに台風の被害に見舞われたが、教育省に寄せられた報告によると、江原道(カンウォンド)、咸鏡道(ハムギョンド)、黄海道(ファンヘド)で学校の建物が流出、崩壊する事例が続出。指示文には、各道、市、郡の学校の被害状況が明示されているが、それによると小中学校全体の2割の学校で授業が行えない状況となっている。

教育省と防疫指揮部から報告を受けた中央党(朝鮮労働党中央委員会)が、新学期開始の延期の決定を下した。来月10日の朝鮮労働党創立75周年を前後して、記念行事の準備で授業が行えないのは織り込み済み。新学期を多少遅らせても問題ないと判断したようだ。

児童、生徒たちは自宅にとどまり、自習するよう指示が下されたが、具体的な課題は決められていない。平壌の父兄の間では、学校教育に遅れが生じていることに懸念の声が上がっている。新学期が始まれば、教師たちは指示通りのスピードで授業を行い、子どもたちがきちんと理解できているかどうかなど気にしないだろうというものだ。

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また、「オンライン教育で勉強させよう」との声が上がる一方で、幹部やトンジュ(金主、新興富裕層)の間では、カネを払って家庭教師を雇う動きも出ている。

(参考記事:塾と家庭教師が増加、ITやダンスの授業も…北朝鮮の最新教育事情

教育関係者からは、「12年の無償義務教育制度、平等教育という社会主義の教育テーゼが歪曲される」と懸念の声が上がっていると情報筋が伝えているが、おそらく現場を知らない立場にある人の話だろう。そんな建前ははるか以前に崩壊しているのが北朝鮮の教育現場の現実だ。

(参考記事:北朝鮮、無償教育のはずが教育費払えず退学続出の謎