北朝鮮、中朝国境に「特殊部隊」3000人投入…破壊・かく乱工作が任務

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北朝鮮が、中国との国境地帯の一部に、「暴風軍団」として知られる軍の特殊部隊を投入したもようだ。暴風軍団は朝鮮人民軍第11軍団としても知られ、朝鮮半島での戦争勃発時には韓国の後方に侵入し、破壊・攪乱工作を行うとされる。

咸鏡北道(ハムギョンブクト)の情報筋は13日、デイリーNKの電話取材に対し、 「最近、道内や隣の両江道(リャンガンド)の国境地帯に『暴風軍団』の兵員3000人余りが派遣された。茂山(ムサン)郡と普天(ポチョン)では兵士らの姿を直接確認した」と述べた。

暴風軍団の兵士たちは、過去にも国境地帯に配置されたことがある。違法薬物の密輸取り締まりなどが目的だったが、今回はどのようなねらいがあるのか。

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まず考えられるのは、元脱北者の男性が、韓国から軍事境界線を越えて再入北した事件の影響だ。北朝鮮は、この男性が新型コロナウイルスに「感染したと疑われる」と発表している。

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この事件を伝えた朝鮮中央通信の7月26日付の報道によれば、事件を受けて開かれた朝鮮労働党中央委政治局非常拡大会議では、「越南逃走事件が発生した当該地域の最前線部隊の手薄な前線警戒勤務実態を厳しく指摘し、党中央軍事委員会が事件の発生に責任のある部隊に対する集中調査結果の報告を受けて厳しい処罰を適用し、当該の対策を講じることについて討議」されたという。

暴風軍団の中朝国境地帯への投入は、こうした動きの延長線上で行われた可能性が高い。

情報筋によれば、暴風軍団は2011年にも中朝国境に投入されており、このときは違法薬物の密輸取り締まりと脱北防止が目的だった。また、同様の動きは2015年にもあったという。

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しかし、北朝鮮は新型コロナウイルス対策のため、すでに1月末から国境を封鎖。違法に越境を試みた密輸業者を国境警備隊が射殺した事例なども出ている。国境統制はすでに、十分すぎるほどに厳しいのだ。そのうえ、さらに特殊部隊を投入することで、どのような効果を狙っているのだろうか。

いずれにせよ、住民の多くが密輸と何らかの関わりを持って生計を立ててきた国境地帯では、「今年はコロナのせいで、ただでさえ『国境作業』(密輸)が難しいのに、脱北者が帰ってきたおかげで住民たちだけが苦しくなった」(情報筋)との声が上がっている。