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脱北者を対象とした調査で、北朝鮮の市場経済が5年前と比べてさらに広がっていることが明らかになった。

韓国の北朝鮮研究学会と現代リサーチ研究所は、統一省の依頼を受け、昨年上半期までに韓国に入国・在住している脱北者602人を対象に聞き取り調査を行い、その分析結果をまとめた「北朝鮮経済社会実態研究」をこのほど発表した。

それによると、2016年から2019年までの私経済従事者(市場や企業などから全部または一部収入を得ている人)の割合は48.0%に達した。これは2006〜2010年の34.%より大幅に増加した。一方、国営経済従事者(国営企業や国の機関から収入を得ている人)は28.5%から24.0%に下落した。

2000年以前は国営経済従事者は43.9%、私経済従事者は24.0%だったが、2006〜2010年に逆転した。

米国の戦略国際問題研究所(CSIS)が2017年に、北朝鮮国民36人に対面でアンケート調査を行った結果、全体の75%が「収入のすべてを市場での商売で得る」と答えている。

(参考記事:北朝鮮国民の75%、収入のすべてを「市場での商売」で得る

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情報機器の保有率を問う質問には「テレビ」(70.8%)、「録画機器」(48.7%)、「固定電話」(21.7%)、「MP3プレイヤー」(16.8%)、「ラジオ」(16.6%)、「携帯電話」(14.8%)、「パソコン」(8.8%)の順だった。

一方で、携帯電話の使用率は41.0%に達した。つまり、所有していなくても借りて使う人が多いということだ。利用目的としては「個人の商売」(41.5%)、「挨拶」(32.6%)が多く、「情報交換」(8.6%)、「公式の業務」(3.8%)は少数だった。

ちなみに、KT南北協力タスクフォースチーム長イ・ジョンジン氏の推計によると、ユーザー数は450万人に達し、全人口の2割近くが携帯電話を使っていることになる。

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(参考記事:「革命的な恋愛」はもう古い…北朝鮮で流行る「出会い系ビジネス」

食生活について「食事は1日3食か」という問いに、「そうだ」と答えた人の割合は、2000年以前は32.1%だったが、年を追うごとに増加し、2011〜2015年は87.1%、2016〜2019年には94.7%に達した。また、主食に占めるコメの割合は2000年以前は11%だったのが、2016〜2019年には66.1%に達した。

近隣の都市との交通手段を問う質問には、「列車」(40.1%)、「ソビ車」(民間の輸送手段、14.7%)、「自転車」(14.4%)の順となった。列車は2011〜2015年には28.9%まで下落していたが、これは停電や事故の頻発でまともな運行ができていなかったことが影響している。

(参考記事:大惨事多発の北朝鮮鉄道、補修命令下るも予算はなし