「人体をミンチ」衛星が見ていた金正恩の残虐処刑

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国連総会が18日(現地時間)、ニューヨーク国連本部で本会議を開き、北朝鮮における人権侵害を強く非難し、速やかな改善を促す決議案を採択した。同じ趣旨の決議採択は2005年から15年連続となる。

決議案は「長い間、そして現在も組織的かつ広範囲で、重大な人権侵害が行われている」として、北朝鮮に人権侵害を今すぐ止めるよう要求。強制収容所の運営、強姦、公開処刑、非司法的・恣意的拘禁・処刑、連座制の適用、強制労働など各種人権侵害行為を列挙した。

女性芸能人に見学強制

また、国連安全保障理事会は北朝鮮人権状況を国際刑事裁判所(ICC)に送付し、人道に反する罪に対して「最も責任ある者」に対する適切な措置などを取るよう勧告した。

北朝鮮において「最も責任ある者」と言えば、どんな問題にせよ独裁者である金正恩党委員長のほかにいない。

米朝対話が危機に瀕した状況で出された決議に、北朝鮮政府が2016年1月6日の核実験に際して発表した声明を想起した。声明は、国際社会に対して次のように反発していた。

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「米国は敵対勢力を糾合してありとあらゆる対朝鮮経済制裁と謀略的な『人権』騒動にこだわり、われわれの強盛国家建設と人民生活の向上を妨げて『制度の崩壊』を実現しようと血を食んで襲いかかっている」

人権問題は明らかに、金正恩氏の「怒りのボタン」のひとつなのだ。

これまで、決議案作成はEU(欧州連合)と日本が共同で行ってきたが、日本は今回は抜けた。ただ、米国など61カ国の共同提案国には名を連ねた。一方、韓国は2008年から昨年まで共同提案国として参加したが、今回は参加しなかった。

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こうした日本や韓国の行動は、人権問題が金正恩氏を強く刺激することを、関係各国が理解していることを物語っている。非核化のための対話を優先したいなら、人権問題には触れない方がよい、との認識が存在するわけだ。

トランプ米大統領もまた、こうした判断に沿って行動してきた。しかし、北朝鮮の人権侵害から完全に目を背けるなど、土台ムリな相談なのだ。金正恩は公開処刑を女性芸能人に見学させたり、人体を文字通り「ミンチ」にするような方法を用いたりしていることで知られている。また、そうした公開処刑の現場は、衛星写真でも捉えられているからだ。

(参考記事:「家族もろとも銃殺」「機関銃で粉々に」…残忍さを増す北朝鮮の粛清現場を衛星画像が確認

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そして、北朝鮮が非核化に消極的になるほど、人権問題の圧力も強まらざるを得ない。

北朝鮮も無論、直ちに反発する。キム・ソン北朝鮮国連代表部大使は18日、国連総会で北朝鮮人権決議案に対して、敵対勢力の政治的陰謀だと批判し、人権増進や人権保護とは何の関係もないと批判した。

北朝鮮はまたもや大陸間弾道ミサイル発射などの強硬対応に出るかもしれないが、それは経済制裁の包囲網を狭め、金正恩の破滅をいっそう引き寄せる結果を招くかもしれない。