「性的虐待を受けた女性兵士が男性宅に押しかけて…」北朝鮮軍の闇

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北朝鮮の咸鏡北道(ハムギョンブクト)清津(チョンジン)市に駐屯する高射砲部隊で、男性将校が女性兵士と「不適切」な関係を持ち、生活除隊(不名誉除隊)になる出来事があったと、現地のデイリーNK内部情報筋が伝えてきた。

北朝鮮の高射砲部隊は主に女性兵士で編成された部隊が多い。金正恩党委員長の祖父・

北朝鮮では1962年 12月 10日,朝鮮労働党中央委員会第4期5次全員会議で「4大軍事路線」という方針が打ち出された。「全人民の武装化」「全国土の要塞化」「全軍幹部化」「全軍現代化」を目指そうというもので、これに基づき、女性兵士による高射砲部隊が数多く編成された。

ただ、これらの部隊も指揮官は男性将校である場合が多い。そして、女性兵士の人権が軽んじられる風潮の中、高射砲部隊は性的虐待の温床にもなっているとされる。

(参考記事:ひとりで女性兵士30人を暴行した北朝鮮軍の中隊長

韓国の北韓人権情報センター(NKDB)2017年、「軍服を着た収監者~北朝鮮軍の人権実態報告書」と題した報告書を発表している。北朝鮮軍に勤務した経験を持つ脱北者70人を対象に調査したものだ。この調査では軍隊内での性暴力について、24人が経験したか、目撃したか、あるいは話を聞いたことがあると答えた。パーセンテージでは約34パーセントということになる。

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NKDBの調査に応じたある脱北女性は、次のように話している。

「女性の中には妊娠して、自殺してしまう人も多い。旅団長や旅団政治委員に妊娠させられたとか、そういった噂が広がるんです。旅団内で、私が副分隊長への昇進を控えて士官学校に行ったとき、女性兵士が自殺した話を聞きました。妊娠してお腹が大きくなるのに、誰にも言えず悩んでいたらしいです」

このような場合においても、性的虐待を加えた本人は、何ら制裁を受けないことがほとんどだという。

(参考記事:北朝鮮女性を苦しめる「マダラス」と呼ばれる性上納行為

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ただ、冒頭で触れた今回の事件では、女性は自殺も泣き寝入りもしていない。男性将校は既婚者でありながら独身を騙っていたとのことで、女性は妊娠するや男性の家庭に押しかけ、妻に離婚を要求したという。

そのようにして騒ぎが大きくなったことで、上層部としても男性将校を処分しないわけには行かなかったのだろう。

(参考記事:北朝鮮「骨と皮だけの女性兵士」が走った禁断の行為

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最近ではほかに、平安南道(ピョンアンナムド)の部隊で、性的虐待に耐えかねた女性兵士らの脱走が相次いでいるとの話もある。金正恩党委員長は、軍隊内における女性兵士の地位向上を厳命しているとされる。それが本当ならば、金正恩氏はこうした現象に目を配り、現状の抜本的な改善に取り組むべきだ。