予告なしの放水で押し流された北朝鮮の被災者たち…金正恩氏の冷酷非情

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北朝鮮では毎年水害による被害が起きているが、2016年8月末に北朝鮮北東部を襲った台風10号(ライオンロック)は、例年以上に甚大な水害被害をもたらした。

北朝鮮当局は「解放後初の大災難(建国以来の災害)」としながら、被災者数を「6万8900人」と公式にアナウンス。しかし、その後の韓国の民間シンクタンクや国際赤十字が把握した情報から、実際にはその4倍以上、30万人にも上ることが判明。さらに、被害拡大の裏には犯罪的ともいえる「人災」が隠されており、当局はそれを隠蔽しようとしていたことが明らかになる。

もともと北朝鮮は、大事故や災害が起こった際、国の体面を守るため、そして安全対策の不備を国内外から非難されないよう被害規模を隠蔽する悪弊がある。過去にも、橋梁の建設現場で500人が一度に死亡する地獄絵図のような大惨事が起きたにもかかわらず、事故の詳細は一切明らかにされなかった。

(参考記事:【再現ルポ】北朝鮮の橋崩落事故、500人死亡の阿鼻叫喚…人民を死に追いやる「鶴の一声」

しかし、デイリーNKや米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)の内部情報筋によると、水害だけでなく復旧現場でも安全対策を無視した作業による事故が多発し多くの命が奪われた。