北朝鮮、軍需工業大会を初めて報道(2017年12月12日)

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北朝鮮の平壌で「第8回軍需工業大会」が11日、開幕した。金正恩党委員長が大会に参加した。朝鮮中央通信が12日、伝えた。

北朝鮮は2012年12月12日に「人工衛星打ち上げ」と称する事実上の長距離弾道ミサイル「銀河3号」の発射に成功。金正恩氏にとってはミサイル関連で初の成果だったこともあり、大会は前日の12月11日に開幕したと見られる。

【画像】第8回軍需工業大会

北朝鮮メディアが、軍需工業大会が開かれたことを報じるのは初で……

ICBM試射の中心メンバーが参拝(2017年12月10日)

大陸間弾道ミサイル「火星15」型試射の成功に寄与したメンバーが9日、錦繍山(クムスサン)太陽宮殿を参拝した。同日、朝鮮中央通信が伝えた。

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メンバーらは、金日成主席と金正日総書記の遺体が安置されている永生ホールで両氏に敬意を表した。

朝鮮中央通信の報道全文は次のとおり。

「ミサイル発射映像に炎に包まれる兵士」(2017年12月7日)

北朝鮮が先月29日、大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星15」型を発射した際、朝鮮人民軍(北朝鮮軍)の兵士と思しき人物が、エンジンから噴出された火炎に包まれて死亡したとの情報が出ている。しかも北朝鮮が公開した映像に、その場面が映っていたという。

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米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が北朝鮮国内の複数の情報筋の話として伝えたところでは、北朝鮮の軍内部ではもちろん、テレビでこれを見た人々の間で衝撃が広がっているという。

その後、映像は編集されて再放送されているとのことだが、咸鏡北道(ハムギョンブクト)の情報筋はRFAに対し……

金正恩氏、ミサイル発射台のタイヤ工場視察(2017年12月3日)

北朝鮮の金正恩党委員長が鴨緑江(アムロクカン)タイヤ工場を現地指導した。日時は不明。朝鮮中央通信が3日、伝えた。

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【動画】鴨緑江タイヤ工場を現地指導した金正恩氏

金正恩氏は、工場の活動家たちの手を取りながら「新しいタイヤの生産作業で集団的革新を創造することによって党が切実に願う問題を解決し、私に大きな力を与えた工場の労働者階級に感謝のあいさつをするために訪ねてきた、本当に大事をやり遂げた」と述べた。

金正恩氏は、工場で生産している各種のタイヤと新しく開発した弾道ミサイル(ICBM)の自走発射台車の大型タイヤを見て……

金正恩氏「核戦力完成」を宣言。次の行動は(2017年11月30日)

北朝鮮の金正恩党委員長は29日、新型の大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星15」型の発射実験を現地指導し、「今日ついに国家核戦力完成の歴史的大業、ロケット強国偉業が実現されたと誇り高く宣布した」という。

ここで興味深いのは、金正恩氏が語った「完成」という言葉の意味だ。

北朝鮮はおそらく、国際社会による制裁下でも必要な実験を行えるよう資材を備蓄しているはずだ。そして、技術やデータの蓄積が十分なレベルに達したら、一方的に核・ミサイル実験の停止を宣言するつもりだろう。そこで初めて対話に乗り出し、国際社会に制裁解除を迫るものと思われる。中国やロシアの支援があれば……

新型ICBM「火星15」型を発射(2017年11月29日)

北朝鮮の国営メディアは29日午後0時(日本時間午後0時30分)、重大報道を通じて大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星15」型の試射に成功したとする朝鮮民主主義人民共和国政府の声明を発表した。

声明は、「大陸間弾道ロケット『火星15』型の武器システムは、米本土全域を打撃できる超大型重量級核弾頭の装着が可能な大陸間弾道ロケットとして、去る7月に試射した『火星14』型より戦術的・技術的諸元と技術的特性がはるかに優れた武器システムであり、われわれが目標としたロケット武器システム開発の完結段階に到達した最も威力ある……

発射準備か…通信・レーダーに動き(2017年11月28日)

北朝鮮が弾道ミサイルの発射を準備中であることをうかがわせる兆候が捕捉され、日本政府が警戒を強めていることが28日までに分かった。

日韓の複数のソースによれば、北朝鮮は27日、ミサイルが位置情報などを地上に伝えるための電波信号の送受信を行ったという。北朝鮮は過去、弾道ミサイルの発射に先立ち、この電波信号の試験的な送受信を行っている。

また韓国軍によれば……

9月15日を最後に沈黙。その意味は…(2017年11月13日)

北朝鮮がここしばらく、ミサイルを発射していない。この「静けさ」は発射凍結の意思表示なのか。あるいは一時的なものなのか。再び発射が始まるとしたら、それはいつ、どこを狙って実施されるのか。過去のパターンをもとに分析してみた。

最近2カ月間は発射なし

北朝鮮は9月15日、中距離弾道ミサイル「火星12」を太平洋に向けて発射したのを最後に、この約2カ月間、いかなるタイプのミサイルも発射していない。今年に入り、中距離弾道ミサイルの「北極星2」と「火星12」、大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星14」の発射を立て続けに成功させ、8月には米グアム周辺に向けた「包囲射撃」計画をぶち上げていたにも関わらずだ。

それだけに、この「静けさ」に何らかの意味を求めたくなる向きも少なくないはずだ。実際、米紙ワシントン・ポスト(電子版)は9日、北朝鮮が核実験とミサイル発射を60日間凍結すれば、米政府が直接対話に応じることを検討していると伝えた。

これは、米国務省のジョセフ・ユン北朝鮮担当特別代表が、10月30日に米有力シンクタンク「外交問題評議会」(CFR)で行ったオフレコ講演で語ったものだという。

毎年10-12月に発射が激減

ただ、「60日間」は北朝鮮が凍結を表明して以降の日数であるため、まだカウントは始まっていない。それでも、現在の「静けさ」がなければ、オフレコであっても語れる内容ではなかっただろう。

しかし過去のデータを見た限りでは、この「静けさ」から、北朝鮮の意思の変化を読み取る余地はなさそうだ。

米ジェームズ・マーティン不拡散研究センターのシェア・コットン研究員によれば、金正恩政権が実質的に立ち上がった2012年以降、毎年10月-12月の3カ月間は、北朝鮮のミサイル発射回数が大きく減少しているのだ。コットン氏によれば、1月から12月までの四半期ごとの発射回数の平均は次のとおりだ。

  • 第1四半期(1-3月)  4.3回
  • 第2四半期(4-6月)  4.8回
  • 第3四半期(7-9月)  4.2回
  • 第4四半期(10-12月)  0.8回

【年表】2016年以降の北朝鮮の弾道ミサイル発射動向

国家的な記念日との関係

コットン氏はこのような傾向が表れている理由について、「確信はできないが、北朝鮮が秋の収穫や越冬準備に資源を当てるためではないか」と述べる一方、「単なる統計上の異常で、私の推測は完全な間違いかもしれない」として、数字上の偶然である可能性も指摘している。

しかし、こうしたデータ上の傾向が偶然の産物ではないと考える理由が、「越冬準備」以外に少なくとも2つある。

ひとつは、北朝鮮の国家的な記念日との関係だ。北朝鮮において、重要とされている記念日は次の8つだ。

 1月 8日 金正恩党委員長の誕生日
 2月 8日 朝鮮人民軍(北朝鮮軍)の創立記念日
 2月16日 故金正日総書記の誕生日
 4月15日 故金日成主席の誕生日
 7月27日 朝鮮戦争での戦勝記念日(実際には休戦)
 8月15日 日本からの解放記念日
 9月 9日 建国記念日
10月10日 朝鮮労働党の創立記念日

ついでに「国威発揚」を狙う

見ての通り、第4四半期には10月10日の党創立記念日ひとつしかない。また、これらのうちでもとくに重要とされているのが歴代の最高指導者の誕生日であり、1年の前半に集中している。ちなみに、金正恩党委員長の誕生日は公式の誕生日とはなっておらず、暗黙の了解で「大事な日」とされているだけだが、金正日氏と金日成氏の誕生日には大規模な行事が開かれる。

北朝鮮は基本的に、核やミサイルの開発スケジュールに従って実験を繰り返しているのであり、必ずしも記念日に合わせて行うとかは限らない。ただ、「どうせやるなら利益を最大に」との合理的な考え方から、記念日と近いタイミングで実験を行い、国威発揚につなげている様子もうかがえる。

そういった点で、第4四半期にミサイル発射が減少するとの傾向を見せるデータには、いくらかの必然性が見て取れるのだ。

北朝鮮軍は「冬」に動き出す

そして、そのようなデータ上の傾向が偶然とは思えないもうひとつの理由は、北朝鮮や米韓の軍事活動のスケジュールにある。

北朝鮮は例年、11月から12月にかけて中隊(約150人)規模の冬季訓練を開始する。1月に入ると、これが数百人から1,000人前後の大隊規模に拡大し、2月に近づくと10,000人余りの師団規模となる。そして、3月には30,000~50,000人の軍団規模にまで拡大し、陸・海・空軍と特殊部隊による合同演習を実施。ここで有事に対する即応力が最大になり、この態勢が秋まで維持されるのだ。

こうした北朝鮮側の動きに対応し、米韓連合軍も春に「フォールイーグル」と「キーリゾルブ」、秋口に「乙支(ウルチ)フリーダム・ガーディアン」といった合同軍事演習を実施している。

(参考記事:米韓「北の核・ミサイル施設攻撃」の演習開始…在日米軍も参加

年内に発射する可能性は低い

とくに2カ月にわたる野外機動演習である「フォールイーグル」には、米本土などからも部隊が参加し、その規模は数十万人にもなる。北朝鮮の軍事的野心をくじくためのものではあるが、北朝鮮もまた、毎年繰り返される米軍の大量動員に恐怖を感じているのは確かだ。

(参考記事:金正恩氏、北朝鮮軍に「戦闘動員態勢」を指示

北朝鮮はそうでなくとも、通常戦力で米韓に圧倒されている。そのため、核・ミサイル実験を行うなら、自軍の即応力が高まっている第1~第3四半期が安全と考えている可能性がある。また、米韓の脅威に対抗し、威嚇と抑止を行う必要からも、この時期にミサイル発射を集中して行う方針を取っているのかもしれない。

このように見ると、北朝鮮が2017年末までに、核実験や本格的な弾道ミサイル発射を行う可能性は低いと言えそうだ。

来年2月、「日本列島越え」か

しかしこの間も、北朝鮮メディアは核・ミサイル開発の続行を繰り返し強調している。早ければ2018年の1月半ば、遅くとも2月中旬には、ミサイル発射が始まる可能性が高い。

しかも2018年には、弾道ミサイルが日本列島を飛び越えて、太平洋に着弾するコースで発射実験が行われるケースが増えることが考えられる。北朝鮮は、グアム周辺への「包囲射撃」や太平洋上での水爆実験構想をいまだ撤回していないためだ。

さらに共同通信が11月5日付で報道したところでは、トランプ米大統領は8~10月に東南アジア諸国の首脳らと話し合った際、北朝鮮の「火星12」が北海道上空を通過して太平洋に着弾した件に触れ、「なぜ(日本は)撃ち落とさなかったのか。サムライウォリアーズの国なのに理解しがたい」と不満を表したという。

「本州上空」通過の懸念も

トランプ氏の本気度や技術的な難しさの問題はあるが、日本政府としても、いつまでも上空通過を座視しているわけにはいかないだろう。とはいえ、迎撃を期して北海道方面にイージス艦などをシフトすれば、北朝鮮が、本州上空やより南方のコースで発射する懸念も出てくる。

(参考記事:いずれ来る「自衛隊が北朝鮮の潜水艦を沈める日」

そうなれば、北朝鮮からのミサイル飛来を告げるJアラート(全国瞬時警報システム)の鳴り響く地域と回数が、いっそう増える事態になるかもしれない。

(参考記事:「日本に核の雨を浴びせる」…金正恩氏の「脅し」に潜む本当の危険度