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北朝鮮では春の種まきシーズンを迎えながらも、今年の農業に必要な肥料が確保できていないと伝えられている。徐々に強まる国際社会の圧力で、外貨稼ぎ事業が行き詰まり、中国への石炭輸出もストップし、肥料を輸入する財政的余裕がなくなっていることが原因と見られる。

咸鏡北道(ハムギョンブクト)では今ごろになって、高校生や一般住民を動員し、腐植土の生産を行うという「泥縄」の状態だ。

当局は、肥料不足を解消するために、昨年まで禁止していた化学肥料の売買を解禁した。個人も協同農場も「自力更生せよ」との意味合いが込められた措置だ。ところが、これが深刻な副作用をもたらしている。米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。

両江道(リャンガンド)の情報筋によると、肥料の販売が認められるようになってからニセモノの肥料が急増している。肥料と思って買ってみたら、実は単なる土だったというものだ。効果がないだけならまだマシで、最悪の場合は作物が枯れてしまう。

昨年夏から市場に出回り始めたこのニセ肥料、パッケージはホンモノと同じで、目で見ても、固まりを手にとって崩してみても、舌で舐めてみても、ニセモノであると見破るのは非常に困難だという。

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そこで、購入者は少しだけ野菜を植えて、そこに購入した肥料を与え、成長具合を見守るテストを行い、問題がなければ本格的に使用するという不便さを強いられている。

当局は対策に乗り出したが、根本的な解決には至っていない。

咸鏡北道(ハムギョンブクト)の情報筋によると、当局はニセモノが偽装することの多い中国製の肥料の売買を禁止した。しかし北朝鮮製の肥料にも、咸興(ハムン)の個人業者が作っていると言われているニセモノが相当数混じっている。

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そこで農業関係者は、北朝鮮製の倍の1キロ4000北朝鮮ウォン(約52円)の中国製を闇で買うが、こちらにもニセモノが混じっており、にっちもさっちもいかないありさまだ。

ちなみにソウルに在住する脱北者はデイリーNKの取材に対し、中国製の肥料にはニセモノが多いばかりか、窒素が非常に少ないものもあり、人糞を発酵させて作った堆肥よりも効果が落ちると述べている。

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