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北朝鮮では、太陽節(故金日成主席の生誕記念日)を迎え、全人民に特別配給があるとの噂で持ちきりだったが期待外れに終わり、住民の間では不満が渦巻いていると、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。

咸鏡北道(ハムギョンブクト)の情報筋によると、今年の太陽節は金日成主席の生誕から105年で、北朝鮮で重要視される整周年(5年単位で区切った年)となるうえに、金正恩氏が朝鮮労働党委員長の座についてから初めて祝う太陽節になるため、非常に大きな意味を持っていた。

4月初めから住民に対して、容器や空き瓶を供出せよという指示があった。そのため、「何かすごいものがもらえるのだろう」と期待が高まっていた。

ところが、何も配給されず、住民の間では不満が高まった。

住民の不満を抑えるため今月10日、各機関の長と、洞事務所(末端の行政機関)の所長に緊急招集がかけられた。そこでは中央の次のような指示が伝えられた。

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「各工場、企業所は従業員に、人民班(町内会)は各世帯に、特別配給用の物品を自力で調達せよ。配給するのはキャンディ500グラム、食用油1本、豚肉1キロだ。調達できなければ、ポストを返上せよ」

一方、両江道(リャンガンド)の情報筋によると、現地では酒1本、塩漬けのハタハタ1キロが特別配給されたが、量も質も例年より悪く、住民は露骨に不満を見せているという。

そもそも、ハタハタは去年とれ過ぎたものを保存してあっただけの残り物だったようだ。

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不満の声を抑えきれず、各工場、企業所、人民班は、キャンディ、食用油、豚肉の配給を行ったが、そのやり方がさらなる不満を招く。従業員や人民班の住民から徴収したカネで市場で購入したものを配ったのだ。つまり、自分のプレゼントを自分のカネで買ったようなものだ。

両江道の労働党幹部は、悪化した世論を鎮めるために、工場、企業所、人民班を回って、特別配給についての説明を行っているが、これがさらに火に油を注ぐ形になっている。住民の間から「配給できないのなら、それで構わないのに、なぜカネを強制徴収するのか」と怒りの声が上がっている。