北朝鮮、戦闘動員態勢に突入も民間人は冷めた反応

北朝鮮の金正恩党委員長は今月1日、朝鮮人民軍(北朝鮮軍)に対して「戦闘動員態勢」を発令した。「間近に迫る戦争に備えよ」という意味の動員令だが、一般住民は「どうせいつものこと」と受け止め、緊張感が全く高まっていないと米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。

両江道(リャンガンド)の情報筋によると、戦闘動員態勢の発令に伴い、労農赤衛軍(民兵組織)の非常招集が3回もあったが、高まったのは緊張感ではなく不満だったという。命令がいつ下されるかわからず、商売や生活のリズムを乱されるからだ。

また、非常招集訓練は通常より1時間早い午前4時から始まったことに対しても不満が大きい。早朝の訓練実施の理由は「米国の偵察衛星の目を避けるため」とのことだ。

一方、咸鏡北道(ハムギョンブクト)の情報筋によると、戦闘動員態勢を受けて党や地方政府の幹部、兵士の他地方への出張や移動が禁じられた。それでも非常招集と灯火管制を除けば、普段と全く変わらない雰囲気だ。

それもそのはず、当局は毎年のように「今年の我が国を取り巻く情勢は例年とは違う」と言っているため、人々はまともに取り合おうとしないのだ。戦闘動員態勢の発令は、国家保衛省(秘密警察)のトップだった金元弘(キム・ウォノン)氏が解任され、局長クラスの幹部6人が処刑されたことで、動揺した民心を収拾するためのものだという「陰謀論」も一部でささやかれている。

庶民の中には「戦争を怖がっているのは私腹を肥やしてきた幹部だけ」「どうせ戦争が起きたところで失うものは何もない、本当に起きたらいいのに」などと、ごくごく親しい人に本音を漏らす人もいるという。