脱北者「人身売買」の実態(2)

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昨日に続き、中国で2度にわたり人身売買の被害に遭った脱北女性、コ・ジウンさんの証言に基づいて、この問題の実態について述べてみたい。

コさんが初めて脱北したのは、1997年のことだった。北朝鮮で「苦難の行軍」と呼ばれる、食糧難と大量餓死の時代である。少なくとも数十万人、一説には100万人以上が餓死したと言われるこの時期、コさんを含め中朝国境地帯に暮らしていた人々にとって、中国に逃れることは生き延びるための数少ない希望のひとつだった。

待ち受ける「生き地獄」

だからこの時期、脱北者の数は爆発的に増えた。また、死の一歩手前でさまよっているような人々は、生き延びるための対価として、貴重なものを差し出してしまう。