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以前、中国・雲南省のある田舎町が、緑化事業を行うと称して山を緑のペンキで塗り、世界的に「笑い話」として取り上げられたことがあった。一方、北朝鮮では、全人民が総出で「山に木を植えるふり」をしている。北朝鮮の社会システムが機能不全に陥っている状況を端的に示す「笑えない冗談」だ。

北朝鮮において緑化事業のきっかけとなったのは、2015年の「新年の辞」。この中で金正恩第1書記は「森林の回復戦闘を力強く繰り広げ、祖国の山々を緑の森に覆われた黄金山に転換させなければならない」と述べた。

住民は薪を得るために、あるいは山を開墾して食料を得るために、山の木を手当たり次第に切り倒した。そのせいで、保水力を失った山が大雨の度に崩れ、90年代末の大飢饉「苦難の行軍」へとつながった。金正恩氏は、農業復興や防災のために、緑化事業が喫緊の課題であると指摘したのだ。