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その外貨兌換券すら、90年代中頃には渡されなくなった。つまり、海外から受け取った送金は国が「全額没収」という、理不尽な方針が示されたのだ。ある家族は、合営銀行を訪れ、窓口の前で「500万円を返せ!」と泣きわめいていたという。

当然のことながら、合営銀行も貿易銀行も国内外での信用を完全に失った。日本や米国に住む朝鮮人は全く利用しなくなったという。

北朝鮮当局は、その状況を打開するために、外為業務を行う地方銀行を設立したが、信用が得られるかは未知数だ。