韓流を戒める記事を掲載した北朝鮮の雑誌「社会主義生活文化」
韓流ファッションを戒める記事を掲載した北朝鮮の雑誌「社会主義生活文化」

スパイを送り込み韓流摘発

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北朝鮮の学生の間で急速に広まる韓流。業を煮やした北朝鮮当局がスパイまで動員して取締に乗り出している。

平安南道(ピョンアンナムド)のデイリーNK内部情報筋は次のように伝える。

「韓流ドラマや映画の取締は強化されているが、学生はその対象から外れていたため急速に拡散が進んでいる」

「高校生が6~7人で家に集まってパソコンやDVDプレーヤーにUSBメモリを挿して韓流映画を見たりK-POPを聞いたりしていたところ、その中にスパイがいて青年同盟員室に呼び出しを食らった」

「学生ですらお互いを信じられない。保衛部(秘密警察)の監視文化が学校にも広がっている」

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学生を対象にした韓流の取り締まりは、最近の新世代に対する階級教養事業とも関連がある。金正恩氏は昨年11月、朝鮮戦争時に起きた米軍による虐殺に関する展示を行っている信川(シンチョン)博物館を訪問し、反米教育の強化を強調した。今年に入っても様々なメディアが新世代の階級教養を強調している。

思想教育を指導する青年同盟

学校教育の現場で韓流を取り締まるのは、各学校に配置されて学生の思想教養を司る「青年同盟」だ。師範大学の革命歴史学部を卒業した2~30代の若い教師が青年同盟の指導員を務めることが多い。

内部情報筋は青年同盟指導員について次のように説明する。

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「禁煙や恋愛する学生を取り締まるのが本来の役割だが、最近は韓流の厳重取締をおこなっている」

「学校青年同盟初級委員会の委員のみならず、一般学生もUSBメモリを隠し持っている学生を見つけ出すシステムに取り込まれた」

「青年同盟指導員に呼び出されると『韓国映画を見たか』と聞かれる。『見ていない』と答えると過酷な体罰が待っている。反省文を書かされて思想検討を受けてようやく帰宅できる」

韓流がバレても賄賂でもみ消す高校生

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しかし、地獄の沙汰も金次第の今の北朝鮮。やっぱり賄賂を渡してもみ消してしまうケースが多い。逆に損をするのは余裕がない労働者たちの子ども達だという。

「幹部や金持ちの子どもは、青年同盟指導員に高級タバコを数箱渡せば見逃してもらえる。体罰されて反省文を書かされて思想闘争部隊に上げさせられるのは一般労働者の子どもばかりだ」(内部情報筋)