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▲9日に公開された金正恩(左側)の写真と1994年当時、生前の金日成(右側)が正月を迎え集会に参加した学生と撮影した写真。/写真=労働新聞、朝鮮中央通信

 

北朝鮮の労働新聞は10日、金正恩が最高人民会議1次会議で国防委員会第1委員長に再任されたニュースとともに、金正恩の写真を1面に掲載。写真の金正恩は以前とは異なる服装で登場し、注目が集まる。

同日の労働新聞を通して公開された写真では、金正恩は普段着用する人民服姿ではなく、黒色のスーツに白いワイシャツ、ネクタイを着用。過去の労働新聞や朝鮮中央TVでは、濃い灰色の人民服姿だったのとは対照的な姿だ。

スーツ姿の金正恩の姿が公開されたのは今回が初めてではない。労働新聞は2012年4月12日、第4次党代表者会で金正恩を党第1初期に任命したニュースを伝え、3面に濃いめの色のスーツに白ワイシャツ、縞模様のネクタイを締めた金正恩の姿を初めて公開している。

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また写真の金正恩は金日成・金正日の肖像バッジをつけていない。北朝鮮でバッジは金日成・金正日を心臓に奉るという意味で、左側の胸に着用するようになっている。

金正恩は2010年9月、労働党中央軍事委員会副委員長に任命され、公式に後継者としてデビュー。その後、左側の胸に金正日の肖像画が描かれたバッジをつけて登場してきた。2012年4月以降は新しい双像(金日成・金正日の肖像が入ったもの)バッジをつけて行事などに姿を現した。

昨年12月、金正日死去2周忌を迎え錦繍山太陽宮殿を参拝した際も、幹部はもちろん金正恩もバッジを着用していた。李雪主がバッジをつけていない姿はしばしば見られたが、バッジを外したことがなかった金正恩が同日はバッジをつけておらず、その背景に関心が集まる。

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これと関連し某高位幹部出身の脱北者は11日、デイリーNKに「金日成が以前公開の場でスーツに黒色のネクタイを締め登場することが多かった。金正恩は祖父を真似ているのでは。労働新聞は全住民が見るもの。1面でバッジをつけない金正恩の姿を公開することで、住民に『金日成と同じように考えろ』というメッセージを伝えたもの」と説明した。

金日成は生前、バッジを着用しなかった。「自身が最も偉大な首領」であるため、バッジを着用する必要がなかったためだ。金正恩が今回バッジをつけない姿を公開したのも、「金日成=金正恩」という点を国内外に宣伝するための意図的な戦略と指摘される。

別の元高位幹部の脱北者は「スーツ姿の写真が公開された背景には、金正恩の大人びた姿を見せる狙いがある。金正恩の険しい表情は、今回の最高人民会議を通し自身が最高地位にあるということを改めて強調しようしたのでは」と話した。