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先月末に北朝鮮に上陸した台風15号ボラヴェンの影響で、両江道(リャンガンド)雲興(ウヌン)郡にある鉄道用のトンネルが崩壊する事故が発生した。

両江道のデイリーNK内部情報筋は「台風15号で両江道にあるリョンハトンネルが崩れ、今でも平壌と恵山(ヘサン)を結ぶ列車が通っていない」と語った。

リョンハトンネルは、咸鏡北道(ハムギョンブクト)の吉州(キルチュ)と両江道の恵山を結ぶ白頭山青年線が通過する全長1.6kmの大トンネルだ。平壌と恵山を行き来する「1列車」と「2列車」がここを通る。

事故は8月29日の明け方、台風が通過している時間帯に発生した。大雨により大量の水分を含んだ土がリョンハトンネルの真ん中400メートルを押しつぶした。当時、列車は通っておらず人的被害は発生しなかった。

北朝鮮政府が政治的に非常に重要視している1列車と2列車の運行が20日にわたってストップしていることは、莫大な被害が発生していると推定される。ここは、平壌を含めた北朝鮮中部、東部の労働党員、軍人、大学生が金日成一家の「革命偉業」を習うために参加する「白頭山革命戦跡地踏査」のメインルートの一つだ。「革命の首都」 平壌と「革命の聖地」 白頭山を繋ぐ非常に重要な鉄道路線だ。

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内部情報筋は復旧状況について次のように伝える。

「現在、恵山鉄道局傘下の鉄道隊、機動隊に加えて軍人も動員されて復旧作業にあたっている」

「中央からは25日の最高人民会議までに復旧せよを指示されているが、あとどれくらいかかるかは誰にもわからない」

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トンネルは単線用なので幅、高さはそれぞれ4メートル。重装備が投入できないため、動員された人々がトロッコで土砂を運びださざるをえない。復旧には相当な時間を要すると思われる。

25日から開かれる最高人民会議第12期6次会議に参加する両江道の代議員は慈江道(チャガンド)方面に迂回するルートを使っている。政府は代議員たちを恵山から満浦(マンポ)を経由して平壌に向かう「4列車」に乗車させた。19日に恵山を発ったこの列車は20日午後6時現在、平壌に向けて進んでいる。

内部情報筋は今回の事故を「速度戦競争がもたらした人災」と見ている。高速道路、鉄道、トンネルなど大型土木工事では「品質」よりも「スピード」を優先する風土のせいだという。

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経済難による資材や機械の不足も原因だ。内部情報筋は「セメント、砂、機械。すべてが足りない」「経済問題で補修工事も適時に行えない」と指摘する。

朝鮮中央通信は13日に、6月中旬から8月末までの水害で線路1万7150ヶ所で流出し、300ヶ所で埋没していると報じたが、リョンハトンネル崩壊といった具体例には言及しなかった。