北朝鮮国民が震撼する「クリスマスプレゼント投げ込み事件」

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北朝鮮では、クリスマスをおおっぴらに祝うことはできない。宗教は違法行為だからだ。

米国務省の2017年版「信仰の自由に関する国際報告書」によると、北朝鮮では2017年の1年間に宗教活動で119人が処刑され、770人が収監、87人が失踪、48人が強制移住、44人が負傷している。

特にキリスト教は目の敵にされているが、そんな北朝鮮でクリスマスに関連して背筋の凍るような事件が起きたと、韓国のリバティ・コリア・ポストが報じている。

中国との国境に面した平安北道(ピョンアンブクト)新義州(シニジュ)で22日深夜、数多くの民家に、差出人不明のクリスマスプレゼントが配達される事件が起きたと現地の情報筋が伝えた。

不特定多数に宛てたものなのか、特定の人物に宛てたものなのかはわかっていないが、プレゼントを受け取った人の中には朝鮮労働党、保衛部(秘密警察)、保安署(警察署)の幹部が含まれている。また、中身の詳細は不明ながら、北朝鮮の人々の間で人気が高い外国製の製品が入っていたとの噂が市民の間で広がっているという。

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また、情報筋が保安機関に勤める友人から聞いたところでは、当局はプレゼントを受け取って通報した人より、通報していない人の方が多いとみて、捜査を拡大する方針だと述べた。つまり、どうせバレないだろうとたかをくくっていたり、下手に通報すると逮捕されかねないと黙っていたりする人がかなりの数に達するということだ。

情報筋は、プレゼントの投げ込みには「地下教会」――キリスト教の秘密教会――が関係していると見ている。地下教会は、主に在米韓国人や韓国系の教会が北朝鮮国民と接触し、同国内での宣教の足掛かりとしているものだ。

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北朝鮮ではご法度のクリスマスだが、2000年代に入ってから中国などからの情報でその存在を知った若者たちが、宗教行事ではなく世界的なお祭りの日として祝うことがあるという。

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また、北朝鮮で地下教会に通っていた脱北者チェさんは「海外に行ってきた人々が、世界的に神を信じるキリスト教の国は豊かだという話をよくするため、人民は常識のように知っている」として、12月25日がクリスマスであるということを知っている人が多いと伝えている。

去年までは「クリスマス」という単語をおおっぴらに使うことはできなかったが、政府の高官が米国との非核化交渉と関連して「クリスマスのプレゼントとして何を選ぶかは全的に米国の決心次第」との談話を発表したことで、クリスマスという単語がおおっぴらに飛び交うようになったとも、情報筋は伝えている。

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ただ、クリスマスを宗教行事として祝うことが命がけであることには変わりない。前述のチェさんは、クリスマスを契機に当局の監視が厳しくなったことから、一切の集会を避けて、家族で祝ったと述べた。

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